専門・認定看護師のご案内
当院には14分野の専門看護師・認定看護師がいます。
専門看護師とは、専門的な知識と技術をもち、患者さんが自ら病気と向かい合っていけるように支援させていただいたり、倫理的な視点で問題を解決する糸口を見つけたり、医療者と患者さんの関係やご家族と患者さんとの関係などの調整、看護師の教育や研究を行う看護師のことを言います。
認定看護師とは、専門的な知識と技術によってケアを実践したり、看護師や患者さんが問題を解決していけるよう支援する看護師のことを言います。
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各専門分野の専門・認定看護師紹介
がん看護専門看護師
祖父江正代
宇根底亜希子
がんに関する治療はここ数年で大きく進歩してきました。しかしながら、「がん」と診断されると、多くの患者さんは治らないことをイメージして「今後、どうなるのだろうか?」という不安が強くみられます。がん看護専門看護師は、「がん」と診断された方々ならびにご家族の治療への不安や迷い、医療者との関係に関する悩みなどに対して、相談を受けたり、人と人との調整を図ったりすることを役割としています。また、がん治療に伴う副作用や病気からくる身体やこころのつらさに対して医師や看護師、薬剤師と協力して少しでもつらさが和らげられるよう支援させていただいています。
できるだけ多くの方が、がんという病気に縛られず、その人らしく治療、生活ができるよう支援させていただきます。
クリティカルケア認定看護師
鈴木千恵
救急外来には突然、もしくは急激に、体調不良を感じた患者さんが訪れます。多くの患者さんは、救急外来を受診しなければならない事態が起きるとは思っていません。また、一刻の猶予もない場合や外出先で体調不良になった場合に、患者さん自身が病院を選べないこともあります。このような状況下で、不安を抱えて来院された患者さんやご家族のケアを担当するのが救急外来の看護師です。なかでも救急看護認定看護師は、患者さんの状態を適切に判断し、診療における優先順位の決定、状況に応じた迅速な救命処置を行うことを役割としています。また、患者さんだけではなく、ご家族が抱えている不安を受け止め、支えていくことも役割としています。生命の維持を援助するだけにとどまらず、回復後の生活の質を見据え、患者さんの『生きていくこと』、『活きていくこと』を患者さんが来院された時から、サポートさせていただきたいと思っています。
皮膚・排泄ケア認定看護師
祖父江正代
馬場真子
楓淳
皮膚・排泄ケア認定看護師は床ずれやさまざまな皮膚トラブルなど傷に関するケアや、ストーマ(人工肛門や人工膀胱)を造られた方の日常生活、心の悩みなどのケア、便や尿の漏れに関するケア、皮膚の乾燥やむくみなど弱くなった皮膚が傷つかないように予防ケアをするなど皮膚と排泄にまつわるケアを専門的に行う看護師です。
スキンケア外来を行っており、ストーマを造られた方が手術の前と同様に変わりなく日常生活を送れるために、手術前から退院後にわたってお手伝いさせていただいています。また、入院中あるいは退院された患者さんに床ずれや、テープ・便や尿の接触などによる皮膚のかぶれなどができないよう、病棟看護師や訪問看護師などとともに予防的なケアをさせていただいています。
多くの患者さんが安心して入院生活あるいは日常生活が送れるよう、他の看護師とともに協力して環境作りをさせていただきたいと思っています。
集中ケア認定看護師
伊藤恵里奈
近藤雅大
集中治療室には、全身状態が極めて不良な患者さんが入院され、様々な薬剤や医療機器を使用して生命を維持します。また、身内の突然の病気発症により、患者さんのご家族も不安や悲しみ・怒りなど様々な感情を抱いています。そのような患者さんやご家族に対して、適切なタイミングで適切なケアを実施し、1日でも早く元の生活に戻れるよう支援させていただく役割を担っているのが集中ケア認定看護師です。患者さんの重篤化回避や早期回復を目指すには、医師や理学療法士、臨床工学技士などチームで協力することが重要です。患者さんが入院された当初から、患者さんの退院後の生活を見据えた関わりをチームで実施させていただきます。
がん化学療法認定看護師
豊村美貴子
最近では、抗がん剤治療や免疫療法を通院で行う方法が主流になってきました。当院外来化学療法センターでは、月400件以上患者さんが治療されています。
がん化学療法看護認定看護師は、抗がん剤や免疫療法を受けている患者さんが副作用による身体の辛さや心の辛さを自分でもうまく対処しながら、治療が継続できるようにお手伝いさせていただくことを役割とする看護師です。
また、抗がん剤治療や免疫療法が安全に行われるように管理することも行っています。主に外来化学療法センターに通院されている患者さんのケアを担当しています。少しでも安心してがん治療を受けていただけるようお手伝いさせていただきたいと思っています。
がん性疼痛看護認定看護師
高倉梢
木村あかり
がんによる痛みはがんと診断される前からみられることが多く、がん患者さんの70%が経験するといわれています。がんによる痛みは、不眠や食欲低下などの身体症状や、不安や怒り、悲しみ、気力の低下など気持ちのつらさにもつながります。また、家事や仕事、趣味など活動にも影響を及ぼす場合もあり、「痛みによって自分らしく過ごせない」という悩みが強くなることもあります。そういった悩みを軽減し、その人らしく過ごせるよう支援するのが、がん性疼痛看護認定看護師の役割です。
がんによる痛みは、医療用麻薬などの鎮痛薬を適切に使うことでコントロールできると言われています。しかし、医療用であっても『麻薬』という言葉に対する抵抗感や、「依存しておかしくなったらどうしよう」といった不安を感じる方も多くみえます。不安や誤解を解消し、患者さんの日々の生活を支えらえるよう、痛みが和らぐ方法を考えながら活動を行っています。
訪問看護認定看護師
矢野由美子
伊藤裕基子
訪問看護認定看護師は、療養生活をこれからはじめようとしている人、またはできるだろうかと悩んでいる人に、在宅生活の安定と実現を目指した援助・支援を行う在宅ケアを専門領域とする看護師です。主治医はじめ医療スタッフ、在宅医、関係機関との調整を行いながら、その人らしく療養生活ができるようお手伝いさせていただきます。また退院後の自宅以外の療養先に関してのご相談も受けております。
感染管理認定看護師
仲田勝樹
大城和人
中野千恵
感染管理認定看護師は、病院内において様々な感染症の発生を少なくすることで、医療の質の向上を図り、院内の全ての人(患者さんおよびご家族、面会者、医療従事者)を感染から守ることを役割としています。 そして、感染対策を効果的・効率的に実践するために、常に院内全体を見渡し、当院の状況にあった感染対策を考えて行うようにしています。感染対策は、医療従事者のみが行っても不十分です。患者さんを取り巻くすべての方が正しい感染予防の知識を持って行うことが大切であるため、患者さんだけでなくご家族、面会者も含めて、感染対策に関する正しい情報を提供したいと思います。また、日常生活における感染予防についてなど、地域住民の方々と患者さんをサポートしていきたいと考えて活動しています。
手術室看護認定看護師
高橋育代
手術看護認定看護師は、安心して手術が受けられるように支援させていただくことを役割としています。手術を受けられる患者さんは、手術前から大きな不安を抱えています。手術前に術前看護外来や入院後の術前訪問を行い、患者さんの声に耳を傾け支援させていただきます。また、手術中は、手術の姿勢で無理がかからないように、患者さん個々の身体に合わせた姿勢を整え、手術中の痛みなど患者さんの苦痛を緩和したりして安全・安楽な手術ができるように医師や多職種とともに協力しています。さらに、肺炎や傷の感染などの合併症が術後に起こらないように感染予防にも努め、患者さんの回復をお手伝いさせていただきます。
摂食・嚥下障害看護認定看護師
川合真貴
摂食・嚥下とは食物を認識して口に取り込むことに始まり、胃に到達するまでの一連の過程を指します。“命は食にあり”ということわざがあるように、生きていく中で食べることは欠かせないことです。摂食・嚥下障害看護認定看護師は医師、言語聴覚士、管理栄養士、薬剤師など他の専門職と協働し、誤嚥性肺炎、低栄養、脱水などを予防し安全に食事を食べることへの支援を役割としています。患者さんや家族の“食べたい”という思いを尊重して一人でも多くの患者さんが安全に食べられるように活動していきたいと考えています。
小児救急看護認定看護師
上田みずほ
小児救急看護認定看護師は、自ら症状を確実に訴えることのできない子どもが発するサインを読み取り、判断し、適切な援助が行われるよう対応することと、子どもが健やかに成長発達していけるよう、ご家族への育児支援や、子どもの事故予防に関して情報を提供していくことなどを役割とする看護師です。病院に来た子どもの言葉に耳を傾け、健康回復を支援するとともに、病院で行われるさまざまな行為に対し、子ども自身が「頑張った」と思えるような関わりを大切にしています。また、ご家族が病気の子どもを安心して自宅で看病できるようにアドバイスさせていただくなど、地域の皆さんが安心して子どもを産み、育てていけるよう、他の看護師とともにお手伝いさせていただきたいと思っています。
認知症看護認定看護師
森田英揮
突然ですが、想像してください。進学、就職、あるいは引っ越しなどで不慣れな環境で不安や緊張をすることはないですか?認知症者も同じです。認知症者は脳の器質性病変のため、自分の思いを表現することが困難であるだけでなく、自分自身で不慣れな環境に適応することが困難になると言われています。理性、記憶を司る大脳皮質は初期から侵されますが、情動、本能を司る大脳辺縁系は後期まで残ります。認知症看護は認知症者が体験している世界についての言動、行動に寄り添い、想像力を働かせることから始まります。認知症者によって体験している世界は千差万別だからこそ、求められる看護に正解はありません。だからこそ、チームスタッフ、コメディカルスタッフ、ご家族と共に個別性ある認知症看護について、共に試行錯誤を重ね、地道に取り組むことが、認知症看護の質の向上につながると考えています。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師
金井香子
脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などさまざまな疾患があります。これらの疾患は突然発症します。脳卒中の発症で、ある日突然「話す」「手足を動かす」「食べる」「考える」といった当たり前にできていたことが困難になります。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は、脳卒中の発症によって失った機能を補うリハビリテーションと、その人に合った環境調整を患者さんやご家族と一緒に考える役割を担っています。日常生活が困難になったと感じている患者さんやご家族の不安に寄り添い、これからの生活に向けて「いま大切なケア」は何かを考え、患者さんやご家族が笑顔で生活できるよう支援させていただきます。
慢性心不全看護認定看護師
山田さおり
慢性心不全看護認定看護師は、心不全や心筋梗塞・狭心症・不整脈など心臓の病気を抱える患者さんとそのご家族のケアを行う看護師です。患者さんの入院中の身体面・精神面のケアはもちろん、心不全の状態を医師や薬剤師などを含めた医療チームとともに考え、患者さんに合わせた生活が送ることができるよう支援を行う役割があります。また症状を和らげるための支援やご家族の精神面へのケアをしながら退院後の生活のための相談や病気に関する情報提供を行います。